公判廷等において,「C 支部やD の人事や運営等に影響力 を及ぼしていたことはないし,D の金を受け取ったこともない。
A 1がA 5をC 支部の支部長から辞めさせたがっているのを知ったのは7月2日に 東京のホテルでA 1と会ったときが初めてである。
A 2に対して,「A 1 のタマ上げると言うとけ」などと言ったことはない。
7月2日にA 1に会 った際,A 1は,A 5の愛人が自殺した事件を理由にして,A 5は支部長を 辞めなければならないのではないかなどと言っていた。
私は,「その件を理 由にA 5を支部長から辞めさせるな」などと言った。
A 1に二人で話すよ うに言って,A 5に電話をかけさせたところ,A 1は,A 5と電話で話した 上で,「話つきましたわ」などと言っていた」などと供述している。
イまた,A 5は,捜査官に対し(乙22,24,25),「今まで,私やA 1がC 支部の人事や運営について被告人に相談したことはなかった。
6月 - 14 - 17日に支部の支部長C やD の理事長を辞めるようにA 1に言われたが, 被告人のことを持ち出して,支部長を辞めることができない旨話したことは ない。
6月30日までの間,A 1と電話で話したり,被告人に連絡した覚え もないし,ゴルフ場で被告人と会ったこともない」などと供述している。
ウ検討 被告人やA 5の供述を前提とすると,「被告人は,それまでC 支部やD の人事や運営について何の関与もしておらず,A 1らがA 5につきC 支部 の支部長等を辞めさせようとしていることについても何も知らなかった。
7 月2日の三役会議と執行委員会はその後のC 支部の人事に重要な影響を及 ぼすことが明らかなのに,A 1は,その当日にわざわざ東京まで行って,被 告人に対し,A 5に支部長を辞めさせることを含めC 支部の役員を替える ことについて相談した」ということになるが,これは不合理であるといわざ るを得ない。
被告人及びA 5が供述するところは信用できない。
(3) 小括 以上によれば,6月17日以降の経緯については,A 1及びA 2が供述す るとおりであると認められる。
2 結論 以上によれば,被告人が,6月19日,A 2に対して,A 5に会うようにA 1に言っておくように指示した上,「もし会うの嫌やったら,わしのところに 連れて来い。
A 1がけえへんかったら,A 1のタマを取るぞと言うとけ」など と指示し,A 2は,その指示どおり,翌20日,A 1に対して「A 5さんと会 うたらどうや」などと話した上,被告人が「会えへんようなんやったら,連れ て来い,それで来いへんかったら,タマを取る」などと言っている旨申し向け たことが認められる。
「タマを取る」という意味は,命を奪うということであ ることは明らかである。
A 2が被告人の指示によりA 1に伝えた内容が,A 1を畏怖させる害悪の告知であることは優に認められる。
- 15 - したがって,被告人に脅迫罪の共同正犯が成立する。
第4 判示第1の2の事実について 1 7月5日及び6日の経緯について (1) A 1及びA 2の供述 アA 1は,当公判廷において以下のとおり供述する。
(ア) 7月5日,友人の結婚式に出席したところ,被告人も出席しており,被 告人のテーブルに呼ばれ,C 支部のことを聞かれたので,支部長選挙になっ た旨答えたところ,結婚式が終わったら,A 2と一緒に被告人の家に来るよ うに言われた。
A 2と一緒に被告人方に行った。
2階の寝室で被告人と二人で話し,選挙 になった経緯について説明したところ,被告人は,A 5に電話し,A 5も被 告人方に来た。
被告人から,A 5と話すよう言われ,二人で話したところ,A 5は「選挙 を降りてくれ」と言い,私は「無理です。
降りません」と答えた。
被告人が戻ってきて,私に対して「もう降りい,選挙降りてだれが笑うね ん,わしが言うてることに従ってだれが笑うねん」と話してきた。
「無理で す」と答え,以前D の理事長を辞めさせられた時のことを引き合いに出し て,また同じように辞退することはできない旨言うと,被告人は,「何を言 うてんのや。
法人(D)も支部もわしのもんやないかい」と言っていた。
翌6日午前零時くらいに被告人に帰るように言われて帰ったが,昼ころ電 話してくるように言われた。
(イ) 6日の昼前ころ,A 2から電話でA 5が支部長選挙への立候補を辞退 したとの連絡があった。
A 5の辞退によって選挙の結果は私の無投票当選に なると思った。
前日に被告人から言われたとおり被告人に電話すると,「言うことを聞か へんのはお前だけや」「家に来い」と怒った口調で言われ,A 2と一緒に, - 16 - 被告人の自宅に行った。
被告人方にはB 3組の組員がおり,A 5も来ていた。
被告人は,私に「支部長,おまえがしたらええがな」と話した上,「わし の知らんやつを役員にはさせん」「箸のこけたことがあってもいちいち報告 せよ」などと条件をつけてきた。
また,被告人は,D の理事長はA 5にさ せるように言ってきた。
被告人の指示で支部長が選ばれれば,被告人のC 支部への支配が継続す ることになるため,無投票当選であっても選挙で選ばれる必要があると考え ていたので,被告人の指示で支部長になるつもりはなく,D の理事長をA 5が続けることも不本意だったが,恐怖感から被告人に逆らえず,支部長に なることを了解し,A 5がD の理事長を続けることにも異議は述べなかっ た。
さらに,被告人がC 支部の書記長をだれにするのか聞いてきたので,A 17の名前を出したところ,被告人はA 5に「A 17というのは信用でき んのか」と尋ね,A 5が「信用できません」と答えると,被告人は,A 2に 対して「おまえがせえ」と言い,A 2は承諾した。
(ウ) 7月7日,C 支部の応接室でA 5に会った。
A 5から,「被告人から 「支部の特別会計(積立金)について,言ったらすぐに対応できるんか」と 言われたので,「A 1は,そういう意味は分かってると思いますよ」と話し た」と告げられた。
A 5の発言の意味は,被告人が金が必要だと言ってきた ときに,すぐに金を出せという意味だと思った。
A 5に対して「被告人さん が言うていた「支部も法人もわしのもんや」ということは,あんた,それで いいんですか」と尋ね,「支部長みたいなもんせえへん」と宣言した。
それ に対し,A 5は「今更何言うてんねん」と言って出て行った。
被告人から言われたことに逆らうことになるので,恐怖感があり,C 支部 の事務所にいたA 17らに「もうお前らも危ないから,こっから出よ」と - 17 - 言って,それ以降支部に顔を出さなかった。
イ2はA ,当公判廷において以下のとおり供述する。
(ア) 7月5日,A 1と一緒に被告人方に行った。
A 1は,被告人に「A 2と 一緒に来い」と言われたと話していた。
午後7時くらいに被告人方に着いた。
被告人に「おまえら何してんねん」 と言われ,A 1は,支部長を選挙で決めることになった経緯等を言いにくそ うに説明していた。
A 5も後から来たが,被告人が二人で話し合うよう指示し,A 1とA 5 は2階に行った。
途中,被告人が2階に上がったことがあり,降りてきて 「平行線のままや」と言っていた。
午前零時ころ,被告人方からA 1と一緒に帰った。
帰り道でA 1から 「なんでおっさん(被告人)に口出しされんとあかんねん。
降りれと言われ んとあかんねん」と言われた。
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